QCTP (wedge type)

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いろんなバイトを駆使して加工する時はバイトを素早く交換したいものです。

そんな時役立つのがQCTP(Quick Change Tool Post)です。

7×14のミニ旋盤はサドルの幅が狭いので、普通にバイトを取り付けただけでもサドルの端部からはみ出しそうになります。

オーバーハングを避けるためには、ポストを出来るだけコンパクトにすることが肝心です。

 

DSCN2575.JPG

そこで、考えたのがクサビ型QCTPです。

plan.JPGのサムネール画像

軽くロック出来、振れない構造を期待してこんな仕組みにしてみました。

ほんとに出来るかな??

 

まずは材料の切出しです。

DSCN2535.JPG

 

続いて6面体に形を整いえます。

DSCN2539.JPG

ケガキ線の通りに削ります。

DSCN2547.JPG

 

再度入れたケガキに合わせ位置だしをします。

DSCN2548.JPG

 

ドリルで下穴を明けた後にボーリングを行ってみました。

DSCN2556.JPG

 

ボーリング自体の加工精度は中々のものです。

DSCN2559.JPG

 

しかし、作業が煩雑なため、旋盤で加工することにしました。

DSCN2561.JPG

芯だしをして、

DSCN2563.JPG

後はひたすら削るだけです。

こんな時は以前に作ったサドルストッパーが大変役に立ちます。

続いてアリ溝部の加工です。

DSCN2565.JPG

DROのお陰で、端面の位置合わせもバッチリです。

荒削りが終わったらアリ溝の加工です。

DSCN2571.JPG

はじめは0.2mmづつ送り、接触面が増える後半は0.1mmづつ送りました。

アングルカットは約30分で完了しました。

DSCN2573.JPG

ホルダー部を造ります。

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ケガキ線の通り加工します。

続いてアリ溝を加工します。

DSCN2606.JPG

 

このようにピッタリと嵌ると感慨もひとしおです。

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次はクサビ部の加工です。

5°の勾配でケガキを入れます。

DSCN2610.JPG

このようなケガキが簡単に出来るのもデジタルハイトゲージのお陰です。

 

まずはエンドミルで加工し・・

DSCN2615.JPG

クサビ部のアリ溝加工をします。

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クサビ・足部の通り穴を加工します。

DSCN2624.JPG

 

クサビの加工です。

DSCN2630.JPG

材料は真鍮

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 バイスで摑む為、両端は素材のまま残しておきます。

クサビの足部です。

DSCN2637.JPG

 

端部を切り落とし、クサビを仮組みしてみました。

DSCN2638.JPG

 

内側はこんな感じになります。

DSCN2641.JPG 

爪の長さは後で調整します。

もちろん、角棒の部分も最終過程で切り落とします。

 

カム部の削り出しです。

材料はS45C(35φはこれしか無かった)。

 

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回転数を80rpmまで落し、じっくりと削ります。

下穴を明け、

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ボーリングバイトにて穴を拡げます。

DSCN2669.JPG 

15mm角の真鍮に12φの穴を明け、スリットを入れ、簡易的なバイトホルダーを造りました。

 

外形削り完了です。

DSCN2674.JPG

 

インナーカラーの削りだし

DSCN2679.JPG

 

カム部のケガキ

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紙にテーパを描き、カム円筒部に巻きつけ、青ニスを拭きつけ、それをなぞるようにケガキました。

チャックに咥えた円筒カムをターンテーブルに取り付けフライステーブルに固定します。

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 ケガキを元にセンタードリルで下穴をモミます。

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6mmのドリルで下穴をあけ、4mmのエンドミルで長穴に加工します。

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こんな長穴加工は4軸のCNCでもあれば簡単なのでしょうが、X軸の送りとターンテーブルの回転を同期させながら、慎重に加工します。

完成した部品群です。

DSCN2705.JPG

組立て姿です。

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刃物台に取り付け、実際に削ってみました。

DSCN2703.JPG

一番懸念された固定具合も確認しました。

DSCN2698.JPG

ホルダー部をヤンキーバイスで挟み荷重してみました。

アリ溝は刃物台のサイズと同等なのですが、全く動きません。

期待通りの結合強度に一安心です。

 

ポスト部を黒染めしてみました。

クサビ型のQCTPは下図のように動きます。(6.27追記)

on_off.JPG

 完成したホルダーをセットしてみました。

DSCN2882.JPG

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このブログ記事について

このページは、twin_bottleが2008年5月31日 18:09に書いたブログ記事です。

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